「内申点を上げなさい!」
公立中学校の通っていると必ず言われるのがこの言葉です。中学生の子どもを持つ保護者の方も似たような言葉を言ってしまっていると思います。
でも、どうやったら上がるのかを理解できていますか?
まさか定期テストの点数を上げればいいという脳筋思想はしていませんよね?
・・・煽ってしまい申し訳ありません。
ただ意外と塾の先生でも理解できている人は多くないのが、内申点なんです。
私立高校へ受験するにも公立高校へ受験するにもある程度、内申点というものが重要になります。
今回はそんな内申点の真実をお伝えしていきます!
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内申点は内申を点数化したもの
内申点とは、内申を点数化したものです。
そんなの知っているよ!と言われそうですが、あくまで内申を点数化したものなんです!
内申点は学年(学期)ごとの成績(内申)を点数化しており、9教科を5段階で評価しています。
そして中学校においての内申点の役割は、高校受験においての合否判断の材料です。
※都道府県によって判断の基準が異なります。埼玉は1年生から、神奈川は2年生から、東京は3年生のみと異なります。
上の学校に生徒の成績を内申する
内申とは、その生徒の成績を上の学校に内々に申し伝えることです。
上の学校というのは、中学校の場合は高校となります。
そして内申する際に必要な成績は、主に各学年の学年末を総合成績として利用します。
各都道府県ごとにフォーマットなどがあり、各教科の成績についてを点数という形で申し送りするわけです。
内申点は先生のさじ加減?
内申点を決める際に重要になるのが、3つの観点です。
最近、全教科3つの観点になりました。
それが以下の観点項目になります。
- 知識・技能
- 思考・判断・表現
- 主体的に学習に取り組む態度
3つの項目を各5点満点で先生が評価を行います。
(C →C゜→B →A →A゜)
ちなみにABCの基準は以下の通りです。
- A「十分満足できる」状況と判断されるもの
- B「おおむね満足できる」状況と判断されるもの
- C「努力を要すると」状況と判断されるもの
各観点を5点満点で評価したら次は科目ごとに更に総合評価をします。
このような感じですね。
先生が決められるのは、各観点の評価までです。
ただ先生側は観点評価でコントロールができるため、実際は先生のさじ加減ひとつで決まってきます。
通知表と調査書の違い
通知表は生徒側が成績を把握するもの
学校等が生徒の各教科の成績や日常生活の記録などをまとめて通知する書類が通知表となります。
主に生徒自身や保護者が成績などを把握するために作成されます。そして学期ごとの成績や頑張り、先生からのメッセージが書いてあります。
調査書=内申書
調査書は、内申書のことになります。
つまり内申点や学校での活動状況について、中学校から高校へと申し送りされる書類です。
数値だけでなくどんな生徒なのかなど中学校の先生から高校の先生へ細かい内容が共有されます。
内容の一つに「行動の記録」というものもあり、先生の所見が細かく書かれます。
実は以外にもここが重要です。
入試の得点においては直接関係ありませんが、ここがよく書かれている人は、内申点も高い傾向にあります。
意外としがちな内申点についての誤解6選
生徒も保護者も学習塾の先生も誤解しがちなことって意外とたくさんあるんです。
しかもネガティブな誤解のほうが多く、間違った認識で被害を被るのは生徒です。そんな可哀想なことにはさせないためにもまずは、誤解していることを正すことから始めましょう!
- 内申点が5の人が◯人と決まっている!
- 内申点アップのためには定期テストで点数を上げなければいけない!
- 授業中に挙手をして先生にアピールしないとダメ!
- 部活や委員会、◯◯検定で差がつく!
- 高校入試は、学力検査の対策を第一にしなければならない!
- 先生から目を付けられたら終わりだ・・・。
どうですか?
あなたはいくつ当てはまりましたでしょうか?
「え?なんで?」というものもあるかと思いますのでこれから説明をしていきます!
内申点が5の人が◯人と決まっている!
保護者の世代はこれが真実だったんです。
「相対評価」と呼び、クラス中で順位付けします。
そして成績上位から5→4→3→2→1というように内申点が付けられていました。
そしてここが重要なのですが、差がない生徒を評価するときは「テストの点数」や「授業中の挙手数」だったのです。(学校によって、先生によって異なります。)
しかし、今は評価の仕方が「絶対評価」へと変化しています。
「絶対評価」とは、該当生徒を他の生徒と比べずに各生徒をそれぞれ評価する方法です。
極端な話ですが、クラス全員が5でも1でもOKな評価方法になっています。
ですので、「クラスの友だちに頭がいい人がたくさんいるからダメだ…。」など諦めることはありません。
「自分は自分」精神でできることからやっていきましょう!
内申点アップのためには定期テストで点数を上げなければいけない!
定期テストの点数アップ=内申点アップは間接的には関係ありますが、それが全てではありません。
よく「80点=4」「平均点(60点)=3」「40点=2」というようなイメージを持っている人がいます。
でもそんな単純なことではありません。
評価ポイントが内申点とテストでは異なるからです。
以下のポイント見てください。
- 定期テストの点数=結果、内申点=プロセス
- 点数が高くても内申点が低い生徒もいる・・・よく天才と言われる人ですね。
- 受験は、主要5教科だけでなく副教科の4科目も評価される
- 内申点が上がるとテストの点数も上がる
- 中学校と高校では評価の仕方が異なる
高校では、「結果」を重視した教育になります。
より定期テストが重要になります。
ですが中学生は内申点という形で「結果までのプロセス」を見てくれます。
社会に出ると「課題解決能力が大切だ」と言われます。その前準備として付けさせたい力でもありますね!
ではプロセスとは具体的にどういうものなのか?
提出物や普段の小テスト、態度や授業に向かう姿勢などのことです。
副教科の「保体・美術・音楽・技家」は特に重要です。
裏を返せば、「テストで点数取れているからOK!」とか「授業、理解できているから大丈夫!」という問題ではないということになります。
人間性の部分にも関わってくると思いますので、保護者の方もこの点については注意が必要です!
ここで伝えたいことは1つです。
定期テストで点数を取るだけが、内申点アップの工夫ではないよ!
です。
人は目先の結果に目がいきがちですよね。
内申点は多くても年間に3回。定期テストは多いと年間5回と評価される頻度が高いのは定期テストです。
ですが、そこに惑わされずに日々の頑張りを認めて、一緒に考えていただきたいと思います。
授業中に挙手をして先生にアピールしないとダメ!
確かに授業中の挙手は授業中の積極性を示すには手っ取り早いとは思います。
挙手については苦ではない人もいれば、大変な苦痛を受ける人もいます。
ここでひとつ、考えてみてください。
先生が「生徒一人ひとりの挙手回数を数えている」と思いますか?
小学校の先生ならカウントしている人もいると思いますが、中学校でやっている人はそこまで多くありません。
続いて、先生視点から見て挙手とはどういうものだと思いますか?
- 生徒とのコミュニケーション
- 授業を盛り上げるための手段
大体この2つに集約できます。
重要なのは生徒とのコミュニケーションというところ。
だからもっと授業中に挙手してほしいといわれます。
ただ挙手が苦手、嫌な人は結構たくさんいますよね…?
その人たちにとって挙手はプレッシャーでしかなく、最悪学校に行きたくなくなります。
そんな方に朗報です!
挙手できないと成績は上がらない・・・。とお考えかもしれませんが、実はそんなことはありません。
挙手が無理なら無理なりの行動の工夫があります。
要するに挙手で先生が生徒に求めていることを挙手以外で達成すればいいのです。
そしてそれ以外の方法を意識的に行っている人は少ないため、逆にチャンスですよ!
いくつかポイントをお伝えしていきます!
- 毎日書く、生活日誌があればそこに授業中のことや質問を書く
- 授業中ではなく授業外で先生に話しかけに行く
- 授業準備などが必要な場合は、積極的に手伝う
- 先生が挙手を促しそうなところを予め予想し、そこに一点集中で挙手する
普段あまり積極的ではない生徒が、少しでも行動を変えると先生は驚きます。いい意味で。
その驚きを少しずつ増やしていくと内申点は簡単に上がりますよ!
部活や委員会、◯◯検定で差がつく!
結論から申しますと公立高校入試においては飾りです。
私立の入試においては加点制度や推薦制度がある場合はあります。
どちらにしてもボーダーラインを内申点が超えていなければ、「〇〇検定◯級持っています!」と言ったところで見られることは無いのです。
部活(部長など)や委員会(委員長など)、検定についてはあくまでも肩書です。
※検定については、モチベーションアップに向いていますのでぜひ受験してくださいね♪
肩書に見合った行動でその効力が発揮されます。
詳しくはまた今度になりますが、効力=行動の記録をより良く書いてもらえるということです。
「行動の記録」とは内申書に記載されます。いいことが書いてあれば当然、心証は良くなります。
直接的な効果は少ないですが、間接的な効果は高いです。ですので、肩書に惑わされずに学校生活においての行動を良いものにするということをお考えください!
高校入試は、学力検査の対策を第一にしなければならない!
最後の最後、合格を勝ち取るには学力検査で勝たなければいけません。
ただそれは最後の最後です。
入試直前ではないいま、学力検査のみに向かっている状態は非常に危険です。
確かに一部の高校については、学力検査を最重要視している学校がありますが、その学校を目指す人は一部の学力最上位層になります。
全員が目指すわけではありませんよね。
都道府県によっても異なりますが、「内申点1ポイントあたり、本番の学力検査の点数2〜6点分」になります。
本番は一発勝負。その中でテストの点数を2〜6点分上げるのって大変じゃないですか?
それを入試前に確保できるのであれば、内申点アップの動きを第一にしなければならないと思いませんか?
先生から目を付けられた。終わりだ・・・。
「うちの子は先生に目をつけられていて、内申点は期待できないんです。」
よくこんな話を聞きます。
先生も人間ですので好き嫌いは必ずあります。
「この子は内申点が低いから〜」とか固定概念というか先入観が出てしまうこともあります。
でもだからこそ、その人自身の変化を感じてくれます。
そしてその変化の幅が大きければ大きいほど印象に残り、良い方のギャップであれば感動してくれます。
※心理学で言うところのハロー効果ですね!
言いたいことは、諦めるには早いということです!
そもそも保護者がそんなことを言うのもどうかと思います。それはさておき…。
気がついていくれた今がチャンスです。
別に今までの行いを謝ることはありません。
優等生をイメージして行動を見直してみましょう。
それが出来たあなたならおそらく次の通知表は、5ポイントくらいは上がるのではないしょうか?
まとめ
いかがだったでしょうか?
もしかしたら内申点はALL4以上あるからあまり参考にならなかったという人もいるかもしれません。
確かにALL4くらいあるとあとは「結果=テストの点数」を出すことが重要な段階になるかもしれません。
ただここで知っておいてほしかったことは、
中学校では、結果だけではなく、どのように頑張ってくれたのかというプロセスを先生は見てくれる。
ということです。
当然ですが、数値的な結果以外を見るため先生の人間としての心理的な部分が出てきます。
これをどう味方につけるかが重要です。
私は中学生のとき、先生に会ったらどの先生でもひたすら挨拶してちょっかいを掛けていました。
あとで聞いた話ですが、それが嬉しかったそうです。笑
勉強で関係のない部分でもこうしてプラスに働くんだなと思ったものです。
今回はこれで終わりです。
最後まで見ていただきありがとうございました!